7/21の日本語教室

7月21日の日本語教室の報告です。
暑い日でしたが、教室の中には50人もの人が集まり、皆さん汗をかきながら会話をしていました。
あまりにも暑いのでサーキュレーターを新たに購入することにしました。
何人もの大学生がボランティアに参加してくださいました。
感想を送っていただきましたので紹介します。


 私が日本語教室に参加させていただいて最も印象に残ったことは、「人と人とのつながり」をとても大切にされていたことです。
 私は今回の参加が初めてでした。それでも、教える側も教わる側もお互いの垣根を越えてわきあいあいと交流をしていた事がまざまざと実感できました。
 私が参加させていただいた回の教え方は、おおかたマンツーマンでの指導でした。マンツーマンでの指導ではありましたが、そこに先生と生徒のような縦の関係はなく、対等に対話を進めていくような形式でした。
 私も指導に参加させていただき、主に単語カードを用いて日本語の単語を教えていました。
 その中で、クルド人の青年が翻訳アプリで「私は日本語の単語を勉強しなくてはいけません」という文書を私に見せてきました。私はそれをみて、この青年は覚悟を持って来日し覚悟を持って日本で生活をしようとしていたことに気がつきました。私は日本でマジョリティーとして生まれ生活を送ってきたので、外国語を学ぶ事が生きていく上で必要不可欠だと思った事がありませんでした。
 私と彼の境遇の違いをはっきりと認識し、自分の生まれた故郷から逃げ出さなくてはならないのはどれだけつらい事なのかの一端を理解できました。
 また、主催者の方の一人が「この日本語教室は楽しむことを第一にしてる」とお話をされていました。
 私はこの楽しむという言葉にコミュニケーションの本質があるのではないかと思いました。人間にとって他者とコミュニケーションをとるということはとても重要な事です。しかし偏見や差別やステレオタイプなどが健全なコミュニケーションを阻害します。そこでお互いが笑顔で交流する事ができれば、健全なコミュニケーションにつながりやすくなります。
 実際に日本語教室のなかでは笑顔が溢れていて、教える側と教わる側や民族や老若男女を越えてとても明るい雰囲気でコミュニケーションが進められていました。
 私は今回の日本語教室に参加させていただいて多くのことを勉強させていただきました。故郷から逃げ出さなくてはいけない心の痛みやコミュニケーションに楽しさが必要だということや、さらにそれらを内包する他者との対話を閉ざしてはならないという本質的な命題です。
 今回は多くの学びの機会を与えてくださり大変ありがとうございました。日本において多様なルーツを持つ人々が平等に生活を送る事ができる日が来る事を心の底から願っております。
慶応大学 T . T