1月19日の日本語教室の報告です。
この日も多くのボランティアと学習者が集まりました。
県外からボランティアに来てくれた高校生も数人いました。
インターネットの情報では分からない、直接交流して考えたいと来てくれました。
大学の先生から感想をいただきましたので紹介します。
午前の部で一緒に勉強したのはDさん。2001年に初めて来日したそう。今は解体業の仕事をしている。この日の教材は、児童書で大岳美帆著『子犬工場 いのちが商品にされる場所』(WAVE出版)だった。たくさんの子犬をうまされるお母さん犬、それを育てて売るという子犬の工場の様子を描いたもの。ちょうどその読み物のなかで、次のような個所が出てきた。「あまりに鳴きつづけたために、声が出ないように、手術されてしまった犬もいました。もちろん、さんぽになんて、つれていってもらえません。/繁殖犬たちには、あきらめる道しか、残されていないのです。」この箇所を読んだとき、Dさんは語りだしたのです。
Dさん:「子犬はあきらめるしかないですが、私はあきらめません。クルド人には、トルコに留まって政府と闘うか、逃げるしかなかったのです。今は日本で解体業の現場で働いて下請けの仕事をしています。あるアパートの解体現場で、水道管の問題があり、水道局に連絡したのですが、なかなか来てもらえず、粘り強く交渉しなければいけないことがありました。最終的には『行けない』と言っていた水道局の人に来てもらい解決したのですが、どんなことでもあきらめてはいけないと思いました」
とてもいい話だった。Dさんは、この本文がすらすら読める程度に日本語ができる。ことばや内容の理解力もかなりある。彼ならきっと日本とクルドの懸け橋になってくれるでしょう。
(大学教授S.N)


