12月3日の日本語教室

12月3日の日本語教室の報告です。
この日は日本語能力試験がありました。
ボランティアに参加してくださった方からの感想を紹介します。

【日本語教室12月3日】
 いつもは学習者と先生たちでにぎやかな教室も、この日はちょっと様子が違いました。学習者の姿はほとんどなく、私たち日本人の先生はひまを持て余しています。無理もありません。この日は大事な日本語能力試験があり、学習者たちの多くは試験会場にいるのです。
 ただひとり、早めに教室に来て引率役の先生と一緒に会場に向かった学習者は、出発までの時間、試験での注意事項について入念にアドバイスを受けていました。例えば受験番号や名前の書き方、そしてマークシートの記入方法も。
 そんなの説明する必要ないじゃん、と思う人もいるかもしれません。しかし試験のスタイルは国によって違います。アフリカからやって来た私の知人は、日本語能力試験で初めてマークシートに遭遇。マークを塗りつぶさず、レ点をつけてしまったことであえなく不合格となりました。私たちにはなんでもないようなことが、外国から来た人にとってはハードルになることもあるのです。
 教室で最後の準備を終えた学習者さんを、私たちは激励の拍手で送り出しました。実力を出し切れるといいなあ、と思いながら。
 その後、教室には試験を受けない3人の学習者たちがやって来て、ひとりの学習者に3、4人の先生がつくという形でレッスンが行なわれました。そして最後は恒例のあいさつ。学習者は日本語で、私たち先生はトルコ語で自己紹介などをするわけですが、これがはっきりいって難しい。
 トルコ語には興味があって、日常的にテキストに目を通しているのですが、みんなの前で話すという緊張も相まって、片言のあいさつからまったく進歩しないのです。
「こんにちは、私の名前は〇〇です。サッカーが好きです」
 この日もこれだけ。もっといろいろ話したいんだけどなあ。
 いつも課題ばかりが残るあいさつですが、異国の言葉と格闘する学習者のみなさんの気持ちを知ることができるという点で、これはこれでいい経験なのかもしれません。
ジャーナリスト T.k